法律のプロだって驚く!?
弁護士、裁判官、検察官など法律のプロになるためには、険しい道を進む必要があります。
厳しい法律の世界ですが、面白い裁判劇も起こったりします。例えば、あるオランダ人が合法的に自分の年齢を変えようとした話や、誘拐犯が人質を訴えた話は聞いたことがありますか?そんなちょっと不思議な話や面白い話を、ご紹介いたします。
合法的に年齢を変えようとした男
自分の年齢を変えたいと思ったことはありませんか?早く大人になりたいとか、若い頃に戻りたいなと思うこともあるでしょう。オランダ人のエミール・ラテルバンドも若くなりたかった1人です。なぜかって?Tinder(ティンダー)で若い女性とデートしたかったからですよ。
若い女性とのマッチングが少ないことにうんざりしていた彼は、生年月日を変える訴訟を起こし、なんと合法的に戸籍上で年齢を変更しようしました。さらに、ティンダーでのマッチングだけでなく、仕事の機会にも恵まれると考えたのです。
しかし、裁判所は彼の訴えを退け、訴訟は失敗に終わりました。もちろん、裁判官は判決理由を詳細に説明することを余儀なくされましたが…。69歳のラテルバンドは余生を元からの生年月日で過ごし、若い女性とのマッチングは諦めるしかなかったようです。
ギャンブルの負けを取り戻せる!?ケンタッキー州の法律
ギャンブルがどんなものかはご存じですよね?お金を賭けて、負けたらそのお金を失います。しかし、アメリカのケンタッキー州では必ずしもそうではありません。「損失回復法」と呼ばれる法律のおかげで、ギャンブルの「負け」を取り返せる可能性があるのです。
ギャンブルで$5以上負けた場合、返還と賠償を求めて訴訟を起こすことができます。しかも、なんと負けた金額の3倍まで!さらには、ギャンブルで負けた本人が訴訟を起こさなくても、ケンタッキー州民であれば他の人が代理で訴訟を起こすことができます。
しかし、入金不要ボーナスのような、カジノの利用特典で獲得したボーナスマネーの場合はどうでしょうか?まずは弁護士に問い合わせてみましょう。
お菓子箱のもったいないスペース
箱を開けてみると、お菓子が思ったより少なくて納得いかなかったことはありませんか?
2018年、ニューヨークのビオラ・ダニエル、アベル・デュラン、ミシシッピ州のトレキーラ・パーキンスの3人は、キャンディーメーカーであるトゥッツィー・ロール・インダストリーズ社を箱の中身が少ないと訴えたのです。
包装の3分の1以上が空気しか入っていないと主張し、賠償請求をしました。しかし、裁判所は44ページもの長さの判決理由を示した上で訴えを退け、訴訟は失敗に終わったのでした。判決理由を簡単にまとめると、「普通、袋には空気のスペースがあるでしょ?」という至極当然のものでした。
スマホをいじるデート相手を訴えた男
誰もが経験したことがあるでしょう。デートしている相手が、ずっとスマホをいじっている。嫌な気分にはなりますが、法的措置を取ろうなんてそんな大袈裟な…。
テキサス州オースティンに住む37歳の男は違いました。デート相手が映画中ずっとスマホをいじっていたことに激怒し、裁判を起こしました。映画館でのマナー違反を主に、映画鑑賞の神聖さを乱されたと訴えたのです。
結果はなんと、訴訟取り下げを条件に、デート相手が映画館のチケット代を支払うことに同意したのです。そして、おかしな裁判沙汰は幕を閉じ、エンドロールが流れたのでした。
逃亡した人質を訴える誘拐犯
訴えられるのは誘拐犯だけだと思っていませんか?
2012年、既に殺人容疑のかかった逃亡犯ジェシー・ディミックがカンザス州のカップルを誘拐する事件が起きました。しかし、犯人である彼が眠った隙に、人質達は運良く逃げることに成功したのです。
しかし、ディミックは、彼らを誘拐して自由を奪ったことを反省するどころか、人質であった彼らを訴えました。訴訟理由?契約違反です。ディミックの主張は、誘拐犯である彼と人質の間には、法執行機関から彼を匿うという法的拘束力のある口約束があったというものでした。しかし、裁判所がすぐにこの馬鹿げた訴えを退き、誘拐犯による前代未聞の訴訟劇の幕が閉じたのでした。